TBC気象台日誌

仙台産のワックス ソチオリンピックで大活躍!

泉ヶ岳の麓、泉区根白石に工場を構える、スキーやスノーボード用のワックスメーカー・株式会社ガリウム。従業員は14人とそれほど大きくない企業ですが、先月行われたソチオリンピックで日本代表選手にワックスを提供し、メダル獲得に貢献しました。

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ガリウム製のワックスの特徴は、社名にもなっているガリウムという金属を特殊配合している点。スキーやスノーボードの板にこのワックスを塗ることで雪面の水をはじき、よりスムーズに滑ることが可能になります。ワックスの性能で成績にも大きな違いが出るといい、世界の舞台で戦う上では、いかに天候や雪質に合ったワックスを選択するかが重要な要素に。今回のソチオリンピックには、ガリウムから3人の従業員が現地に同行し、ギリギリまでワックスの調整に当たってきました。

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そのうちの一人、ワックスの開発を担当する八重樫祐介さん。大学時代はヘアワックスの研究をしていましたが、指導教官の勧めもあってスキーワックスの開発に携わるようになり、ガリウムに入社しました。今回は中心的な役割を担い、ソチの雪質に合うよう試行錯誤を繰り返してきた八重樫さん。ソチオリンピックを次のように振り返ります。

「連日、気温がプラスで、コンディションはほとんど変わりませんでした。個人的には、天気や気温が大きく変わった方が、ガリウムのワックスの優位性をもっと出せたのですが…」

先月のソチは例年より気温が高く経過し、スキー競技が行われた山岳地帯で雨が降った日もありました。ただ、こうした天候は想定の範囲内で、ワックスに大きな影響はなかったそうです。

「私としては、うまくいったのかどうか分かりません。選手やテレビで見ていた方がどう判断してくれるかですね」

そう語る八重樫さんですが、メダルを獲得したある選手からは「自分の前を滑っていた選手よりも板の滑りが良かった」と声をかけてもらったりと、評判は上々だったようです。次の冬季オリンピックは韓国・平昌(ピョンチャン)。「一人でも多くの日本選手に金メダルを取ってもらいたい」と話す八重樫さんの挑戦は、これからもまだまだ続きます。

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